嬉しいお便り 3

数日後、また嬉しいメールをいただきました。
富田さんの行動力と気持ちに励まされる内容です。

 

おはようございます。山形の富田です。

9月末頃、父におしっこやうんちの出た感覚は分かるか? と聞いたら、おしっこ
は分かるけど、うんちは分からないとのことでした。
その言葉通り、オシメを替えるとき毎回のように大便が出ていて、タイミングに
よってはお尻を拭いても拭いても大便がついてくる、肛門に向かって、おまえは
歯磨きチューブか! と思わず突っ込みを入れたくなるときもありました。
オシメを外すとき大便が一番の問題だと思っていました。

10月3日朝、オシメを外す準備をしようとポータブルトイレの使い方を父に説明し
ているとき、父がポータブルトイレに座ってズボンを下ろしてしまいました。こ
れ幸いと、テープ型オシメを外し、うんちをしてみるか? と聞いたら、うんち
がしたいという。そのまましていいよと言ったら、ウーンとうなってものすごく
いいうんちを2本もしました。その時、父は確かにうんちが出たといいました。
排便の感覚が突如戻ったのでしょう。

オシメをテープ型からパンツ型に替え、尿取りパットを入れて練習を始めました。
何回か失敗はしましたが尿意は分かるようでした。

3日の夜、朝までパンツ型オシメはちょっと不安だったので、寝るときはテープ型
オシメと大型の尿取りパットに戻しました。ところが夜中、ガタガタという音で
目覚めると、父が必死でベッドから起き上がりポータブルトイレでパジャマを下
ろしているところでした。慌てて飛び起き、父に駆け寄りテープ型オシメを外し、
用を足してもらいました。
このとき、オシメ外しはけっして逆戻りは出来ないのだと思い知りました。

考えてみれば当たり前のことですね。オシメにおしっこやうんちをするのが耐え
られなくて、自我を守るために脳がかろうじて消し去った感覚。その感覚を思い
出した以上、再びオシメに用を足すなどということは出来るはずも無いことだっ
たのです。

人間の尊厳をここでも勉強させてもらいました。

10月4日朝食後、再びいいうんちをしました。これで一番心配していた大便の問題
はすっかり解決しました。完全に感覚が戻ると同時に、肛門を閉めることも自然
と戻ったのでしょう。大便を粗相することはありませんでした。お尻の拭き方を
教えました。
日中は少し失敗などはありましたが、3日よりは、かなり進歩しました。
夜、寝るときはもちろんパンツ型オシメに尿取りパットです。夜中に何度かポー
タブルトイレで用を足していたようですが、ひとりで出来るだろうと一切手は貸
しませんでした。

今朝、汚れた尿取りパットを入れておくためのバケツを見るとパットが入ってい
ません! ??? おしっこ失敗しなかったの? と父に聞いたら涼しい顔でう
なずきました。思わず、すごい! を連呼してしまいました。

朝食後、またまたいいうんち。お尻ふきももちろん自分ひとりで出来ました。

もう、排泄に関しては問題なさそうです。今日、デイサービスで出かけています
が、帰ってきたらパンツ型オシメから普通の下着に替えようと思っています。

それにしても、福辺さんの介助法に出会わなかったら、そして福辺さんに出会わ
なかったら、これだけの力や能力を持っているにもかかわらず、未だにペッドに
寝たきりでオシメを着けている生活だったのかと思うとほんとうにぞっとします。

ほんとうに有り難うございます。

では、また。
                富田 富男

 

続きはまた後日。

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